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好き≠恋(日文版)

运行环境:手机/MP3/MP4/PDA/电子词典/PSP/电脑
书籍语言:简体中文
书籍大小:249.73 KB
书籍类型:生活时尚 - 文学经典
专题分类:小说导航
书籍作者:[日]未知
今日点击:99
下载评论:[0]条!
发布时间:2015-10-26 09:23:12
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书籍简介

好き≠恋(日文版): 这个具体内容没看,不过这个是BL的(就是GAY),所以敏感的同学就绕道吧~谢谢,下面是一段文字节段
佐倉健人の場合 1
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 春風に吹かれながら、歩き慣れた通学路を歩く。桜の花はすでに散ってしまい、木々には緑色の葉が生い茂っている。新学期が始まってもう2週間が経った。新しいクラスになじむと言うより、あまり変わり映えのないクラスに落胆を通り越して呆れてしまった。4月に入り、暖かい気候の中、やっと着心地が良くなったブレザーの制服は少し暑く、一番上まで留めているボタンは息苦しい。今日の最高気温は23度だとか、朝見た情報が頭の中を過ぎった。
 佐倉健人は、私立林ノ宮高等学校に通う高校2年生だ。偏差値は上の下、スポーツにも力を入れている林ノ宮高校は、特待生制度を導入していて、入試の時、学年10位以内に入った生徒は、学費、交通費、その他学校に関わるものは全て学校が負担をしてくれる。その代わり、学期ごとにある期末テストで、学年10位以内に食い込んでいないとすぐにその資格は剥奪されてしまう。つまり、最初だけ頑張っても意味が無いと言うことだ。常に成績は良くないと、特待制度を受けることが出来なくなる。
 健人はその特待制度を受けている一人だった。1年前まで母子家庭で、少しでも母の負担を減らそうと、勉学に励み、かなり好条件な特待制度を導入している林ノ宮高校を受験し、見事に合格した。少しでも母を楽にさせてあげたいと言う一心で頑張ってきた健人だったが、高校に入学する前、その努力を水の泡にするような出来事が起こった。
 いきなり母が、再婚したのだった。
 再婚相手には、健人と同い年の子供がいた。その子供も、同じ林ノ宮高校に通う予定だと次々に情報が頭の中に入ってきて、健人は茫然としてしまった。その原因は、まず最初に、母に再婚する相手がいたこと。そして次は、再婚するまで知らせてくれなかったことだ。突然、男を家に連れてきて、再婚しますなど宣言されても、中学を卒業して高校生になる子供は理解に苦しんだ。はっきり言って、連れ子など、どうでも良いと健人は思っていた。
 健人と同い年の子供は、歩と言い、気さくで明るい性格をしていた。突如出来てしまった義兄弟に、健人は現状が把握できないまま「……よろしく」と挨拶をしたのだった。母親が再婚した衝撃は今でも忘れられず、健人の胸の中に傷として残ってしまった。
 一番信頼していた母が、内緒で男と付き合っていたのだ。しかも、結婚してからの報告をされたのだ。今まで使っていた名字が変わり、手続きだって大変だった。身の周りの整理などしながら、状況を把握し、仕方なしに母親が再婚した現実を受け入れたのだった。
「健人ー、ちょっと待って」
 後ろから呑気な声が聞こえて、健人はため息交じりに振り返った。遠くに見えるのは、去年兄弟になった歩で、健人に向かって手を振りながら走ってくる。折角、同じ高校に通っているんだから、一緒に行きなさいよと母が笑顔でそう言い、義父もそれが良いと笑いながら言ったので、健人は一緒に行きたくもないのに歩と登校しなければいけなくなった。
 歩はそれをどうとも思わなかったようで、二人に笑顔で「分かった」と返事をした。それが無性に苛立ち、健人は一人、家族の輪の中に入れていないのではないのかと、時折、不安になるのだった。
「……遅刻する」
 健人は腕時計を見つめて、時刻を確認する。まだ遅刻するような時間帯ではないが、今朝のことを思い出すと、歩を待てば健人まで遅刻するのは目に見えていた。バタバタとリビングに降りてきた歩に、先に行くと、小さい声で告げて、健人はそそくさと出てきたのだった。
「ごめんごめん。起こしてくれればよかったのに」
「寝てるって知らなかったから」
 笑いながら話しかけてくる歩に、健人は素気なく答えた。1年経った今でも、歩のことが慣れない。元々、人見知りだったと言うのもあるのだろうが、兄弟が居なかったせいで、兄弟と言うのはどう言うものなのか分からない。それに、歩は母と父が付きあった当初から知っていたと言う。結婚した後から知らされた健人と比べると、扱いの差は歴然としていて、それが余計に壁を作らせていたのだった。
「健人って俺の部屋に絶対入らないよね。入ってくればいいのに」
「人の部屋に勝手に入るのはマナー違反だろ。親しき仲にも礼儀ありって言うぐらいだし」
「……まぁ、そうだね」
 少しだけ寂しそうな声が聞こえたけれど、健人はそれを無視して歩き始めた。ただでさえ、少し歩を待っていたせいで学校へ行くのが遅くなってしまったのだ。こんなところで立ち話をしていれば、もっと遅くなってしまうだろう。健人が歩き始めると、その後ろを歩が追うように歩き始めた。
「今日の一時間目、何だっけ?」
 始まったばかりの新学期。時間割を覚え切れていない歩は、前を歩く健人に話題を兼ねて尋ねる。
「……物理」
「物理かぁ。物理苦手なんだよなぁ。化学は得意なんだけどなぁ」
 何が得意で何を苦手としているのか全く興味の無い健人は、反応せずにすたすたと前を歩く。去年の今頃は、まだ愛想と言うより、再婚相手の息子と仲良くしなければ母がショックを受けるだろうと思って、多少、会話などをしたけれど、今はそんな気遣いは家族の前だけでいいと思って構ってこないように冷たく接している。それにも関わらず、歩は健人に距離を置くことは無かった。
「それにしても、健人と同じクラスになれるとは思わなかった。ほら、血が繋がって無くても兄弟なわけだし。てっきりクラスも分けられるのかと思ってたけど」
「物理苦手なくせに理数系のコース選んだからだろ? C組は理数系のコースだし」
「ま、そうなんだけどねー」
 1年の時はコースなど関係なく、教師たちがランダムで振り分けたクラスだったので、歩とはクラスが離れていた。しかし、2年になってから、大学に進学する学科別にコースを作り、それを基にクラスを編成した。たまたま、同じコースを選んでしまった健人と歩は、幸か不幸か、同じクラスになったのだった。
「クラスには慣れた?」
「慣れたも何も、同じクラスの奴とかいるし」
「そっかそっか。健人ってさ、あまり人と触れあわないって言うかさ、素気ないから友達出来なさそうに見える」
 楽しそうな笑い声とは裏腹に、胸に刺さるようなことを言われて、健人は足を止めた。振り返って歩の顔を見ると、歩はへらへらと笑って健人を見ている。その、へらへらとした笑顔が無性に腹立ち、健人をイラつかせるのだった。
「……別に、勉強しに学校へ行ってるんだから、友達なんかいらねぇだろ」
「華のセブンティーンを、勉強だけで過ごすの? 健人は」
「俺は、テストの順位を落とすわけにはいかねぇんだよ」
 昔と違い、経済的にも苦労しているわけではないが、健人は未だに特待生としての資格を持っている。歩の父と再婚してから、母はパートを辞めて、専業主婦になった。企業の役員をしている歩の父が貰ってくる給料は、今まで、母が働いてきた給料の何倍、何十倍も貰っていて、一人息子が増えようが大した問題ではない。だから、順位を落として特待生としての資格を失ったとしても、佐倉家としては痛手でも何でもない。むしろ、特待生としての資格を持ち続けることが、健人にとっての負担になっているのではないかと、不安がられるほどだった。けれど、健人は楽をして良いと言う父と母の言葉を遮って「目標みたいなものだから」と、二人を宥めたのだった。
「意地に……、なってない?」
 からかうような声が聞こえて、健人はもう一度歩を見た。携帯を片手に笑っている歩は、悩みも何も無いように見えて本当に腹が立つ。健人はあまり、歩のことをよく思っていない。
「なってねぇよ。それに、俺が勉強をしようがなにしようがお前には関係ないだろ。関わってくるなよ」
「仮にも兄弟ですし。お兄ちゃんがそんなだと、俺も心配なわけです」
 お兄ちゃんとわざとらしい言葉が聞こえて、健人は眉間に皺を寄せた。歩の言う通り、健人の方が誕生日が早いため、健人は歩の兄になる。早いと言っても、2ヶ月ほどだ。たかだか、2ヶ月早いだけでお兄ちゃんだの言われるのは、良い気がしない。それが歩だから、余計にだ。
「俺はお前の脳みそが心配だけどな。そろそろ、マジで遅刻するから、俺は先に行くぞ」
「ああ、待ってよ。俺も行くってば」
 歩き始めた健人の後ろを追って、歩も走り始めた。
 健人が教室に到着したのは、朝のホームルームが始まる10分前だった。几帳面な性格をしていて、約束の時間の10分前には到着していないと気が済まない健人にとって、今日の登校時間は満足できるものだった。遅刻ギリギリになるかと思われたけれど、競歩のように早く歩いたので、予定よりもかなり早く着くことが出来た。まだ席は出席番号順なので、健人の前には歩が座ることになっているが、朝っぱらから女生徒に話しかけられ、校門の前で別れた。健人が席に着いたとき、隣から「おはよう」と言う声が聞こえた。
「藤枝、おはよう」
 健人の隣に座っているのは、去年同じクラスだった藤枝太陽だ。太陽も健人と同じように特待生で、家が貧乏だからという理由でこの学校へやってきた。その境遇が似ているせいか、健人も太陽とは喋る。穏やかで人当たりのいい性格をしているから、喋っていると落ち着いてしまうのだ。
「5月の半ばに、中間あるだろ? 結構、範囲広いらしいよ」
「へぇ、そうなんだ」
「佐倉って、結構余裕そうだよな。いつでも」
 そんなつもりは更々ないのに、飄々としているせいか、いつも健人は何事にも余裕があるように見られる。学校のテストに関しては、授業を受けて、ある程度復習をしておけば何とかなるので、余裕と言えば余裕だ。
「……そうか? 藤枝も、そんなにギリギリじゃないだろ?」
「ギリギリじゃないけどね、いつ抜かれるか分からないから……」
 健人と違って、太陽は特待生から落ちるわけにはいかない。だから、学年10位以内に入ることが必須となっている。それを知りながらも、軽率なことを言ってしまったなと、健人は思ったけれど気にはしなかった。こんなことを言って太陽の気を悪くしてしまったとしても、言ってしまったのは取り消すことが出来ない。それに、こんなことで気を悪くするような人でもなかった。
「……あれぇ、歩、まだ来てねーのかよー」
 前から声がして、健人は太陽から歩の席に目を移した。歩の席の隣には、歩の友人である石動ジンが立っていた。健人と目が合うなりに、ジンは笑って「歩は?」と健人が歩のことなら何でも知っているように尋ねる。健人はそれに対しても、苛立ちを覚えてしまう。
「さぁ? 校門のところで女子に話しかけられてたけど」
 知らないと言ってしまえば歩の話などしなくて済むのだが、兄弟だと言うことを学年のほとんどが知っていて、一緒に登校していることも知られている。だから、下手にウソを吐いてもすぐにバレてしまうので、否応なしに本当のことを喋らなければいけないのだった。
「またかよ、アイツー。物理のノート貸したまんまなんだよなぁ。早く返せっての」
 愚痴るように呟くと、ジンは健人を見て「最悪だよな、アイツ」と不貞腐れるように、唇を尖らせた。歩とジンは1年のときから同じクラスだった。互いに親友と認め合うぐらい仲がよく、行動はほとんど共にしている。出席番号順だと席も近いせいで、健人はいつも二人の会話を耳にしていた。
「最悪で悪かったな、最悪で」
 ちょうど、ジンが言い終わった後ぐらいに、背後から歩の声が聞こえた。二人揃って一斉に振り向くと、手に携帯を持った歩が不機嫌そうに立っていた。
「だって、お前さ、俺のノート借りパクしようとしてただろ? いくら、俺のノートが見やすいからってそれはないわ」
「返してないだけで借りパクって言うなよ。ちゃんと返すよ。1時間目の終わりまでには」
 そう言って歩は健人の隣を通り過ぎ、自分の席にカバンを置く。隣で仁王立ちしているジンを見て、苦笑いをした。
「終わってたら意味ないだろ! 今すぐ返せ、ハゲ!」
 目の前で漫才みたいな言い合いを聞きながら、健人はカバンの中から眼鏡を取り出した。別段、視力が悪いと言うわけではない。ただ、板の文字が見難いから眼鏡をかけているだけだった。少しぼやけた視界が明瞭に見え、気が引き締まる。
「あーあー、分かったよ。じゃぁ、また後でノート貸して」
「もうイヤ。一昨日貸して写さなかったんだから、また写さないだろ? お前」
「じゃぁ、こうしよう。前回の授業、何ページ取ったかだけ教えて。そこだけ開けとくから」
 イヤだと言われても食い下がらない歩に、ジンは鬱陶しいという顔をして歩を見上げた。
「別にさ、俺じゃなくても、健人君に見せてもらえばいいじゃん。一緒に居るんだしさ、俺と同じ、特待生だし」
 何気なく言ったジンの言葉に、歩の動きが止まった。それが聞こえてしまった健人も反応せずにはいられず、歩を見上げる。一瞬、目が合い、健人はすぐに目を逸らした。歩にノートを貸すなんて、絶対にしたくない。そう思ってしまった感情が、今、顔に出てしまった。
「……そんな、お兄ちゃんに迷惑なんてかけれませんよ、俺」
 誤魔化すような声が聞こえて、健人はもう一度歩を見た。ジンを見ている歩は、健人からは表情が見えない。お兄ちゃんと喋る声は非常に耳障りが悪く、健人の思考を怒りで乱していく。
 鬱陶しい。と、心の底から思った。
 健人は歩のことをよく思っていないどころではない。かなり嫌っていた。
 二人の漫才は、担任の教師が教室に入ってきたことでやっと終わった。ようやく静かになった教室に、若い教師が教壇に立つ。見た目こそはまだまだ健人たちとそう年が変わらない大学生のように見えるが、一昨年大学を卒業したばかりの新任教師で、健人たちがいる2-Cの担任、財前樹だ。担任を持つのは今年初めてで、受け持つ教科は社会科である。医療ドラマの主人公と同じ苗字だからと言うだけで、あだ名が教授になった。本人はそれを物ともせず、教授と呼ばれたら返事をするユニークな人物だ。見た目も年齢も若いせいか、女生徒はもちろん、男子生徒からも人気がある。
「はい、席着けよー。着いてないやつから遅刻にしていくからなー」
 その一言で、全員が一斉に席へと戻る。全員が席に着いたのを確認してから、樹は空席の机をチェックする。
「……あれ、林と水木はまだ来てないのか。誰か聞いてるかー?」
 歩の左隣と、健人の左斜め後ろ、つまり太陽の前後の席が空席だった。樹の問いかけに誰も反応せず、聞いても居ないのにクラスメートは互いに目を合わせて、「さぁ?」と首を傾げていた。
 数秒待ってみて、誰も何も言わないので、樹が遅刻のバツ印をつけようとしたとき、教室の扉が勢いよく開いた。
「きょうじゅ、ちょっとたんま」
 息を切らして教室に入ってきたのは、健人の斜め後ろの席にいる水木忍だ。教室に入ってきてからはゆっくりと歩き、席にカバンを置いて椅子に座る。
「遅刻、なしで」
「余裕で遅刻だ。残念だったな」
 走ってきた努力など認めないと、樹は笑顔を忍に向けて、樹は出席簿にバツとつけた。大体の教師は、こうして急いで登校してきたりすると、その努力を認めて遅刻を取り消してくれるのだが、樹は違った。朝のホームルームに間に合わなかった者は、容赦なく遅刻にする。それでも、学校の規定により、部活の朝練で遅れた者は遅刻にはならない特権があった。
「教授、厳しくない? 俺、駅からめっちゃ走ったんだけど。朝からマラソンしたんだぜ?」
「朝から元気だな。お前がもうちょっと早く起きれば、マラソンすることも無かったし、遅刻することも無かったんだけどな」
 どれだけ忍ががんばったことをアピールしても、遅刻は遅刻だ。樹は、遅刻を取り消すことなく、朝のホームルームを始めた。健人の後ろから「チェッ」と小さい声が聞こえ、歩の左隣は、まだ空席だった。
 ホームルームが終わり、樹が教室を出たのと同時ぐらいに、歩の左隣の林ツバサが教室に入ってきた。入れ違いだったため、樹と顔を合わせることのなかったツバサは、カバンを机の横に引っ掛けて早々に寝始める。
「林、おはよーって寝んのはやっ!」
 歩が声をかけるも、うるさいと言った顔をして、ツバサは机に突っ伏した。そして、数秒後には一定の間隔で背中が上下した。あまりの早さに、隣に居た歩はもちろん、歩と喋っていたジン、ツバサの後ろに座っている太陽、一部始終を興味なさそうに見ていた忍、物理のノートと教科書を出していた健人はぽかんと口を開けて、寝ているツバサを見つめた。
「……ある種の、才能だよなぁ。寝るの早いって」
 沈黙を破るように、ジンが歩に話しかける。歩はツバサからジンに視線を向けて、「俺、ひっさしぶりに真正面から無視された」と苦笑いをする。無視されたと言うより、睡眠の邪魔をするなと言いたかったのだろう。その気持ちが切実に分かる健人は、教科書とノートを机の上に置いて大きく息を吐いた。
「なぁ、佐倉」
 健人の後ろに居る忍から声をかけられ、健人と歩は一緒に振り返る。二人が同じタイミングで振り返ったことに忍は噴出しそうになり、同じ苗字だというのを思い出してから「ごめん、健人の方」と歩に伝える。
「いいよ。同じ苗字だから、紛らわしいもんな。俺らのことは名前で呼んでいいから」
 俺らと一括りにされた健人は「勝手に決めるな」と、眉間に皺を寄せた。まだ、歩だけなら未だしも、自分のことまで勝手に決められるのは、癇に障る。嫌悪を露にしても、ヘラヘラと笑っている歩の表情は変わらなかった。
「だって、紛らわしいじゃん。同じクラスになった以上、みんな友達だろ? だったら、名前で呼んでも良いじゃん」
「同じクラスだから友達なんて、考えが安易過ぎるだろ。お前」
 冷めた目で歩を見ても、まだ顔は変わらない。ヘラヘラ笑ったりするなと言いたくなって、健人は唇を噛んだ。
「友達って言ってなるようなもんじゃないしな。ま、けど、コレも縁ってことで。よろしくね、健ちゃん」
 ぽんと忍に肩を叩かれて、健人はぎょっとした。
「け、健ちゃん!?」
「健人だから健ちゃん。まだ呼び捨てするような仲じゃないと思うし、佐倉がクラスに二人居ると面倒くさいからね。あだ名だよ、あ、だ、な」
 健ちゃんだなんて、子供みたいな呼び方はイヤだと思った健人だったが、断るのも面倒になり、それ以上は何も言わなかった。友達なんて向こうが一方的に思ってるだけで、健人が友達だと思わなければ良い。それにいちいち、目くじらを立てて反論するのもかなりの体力を使う。健人は諦めて、忍を見た。
「で、何?」
「大した用じゃないんだけど、生徒会とか興味ないかなーって思って」
 ガリガリと後頭部を掻きながら話す姿は、どこか困っているようで健人は首を傾げた。
「全く、興味ないけど」
「あー、やっぱりそう言われると思ったぁー」
 大げさな反応を見せる忍に、健人は何がなんだか分からなくなった。生徒会に興味がある人間なんて、本当に少ないだろう。クラス中でも5人いるかいないかぐらいなのに、どうしてそんなことで大層な反応を見せるのか健人には理解できなかった。
「何で、生徒会? うちの健ちゃんは、人前に出るの苦手だから、そういうの向かないと思うけど」
 健人が質問する前に、歩が先に聞いた。うちのとか、健ちゃんとか、色々言いたいことがあったけれど、これ以上、口出ししても疲れるのは健人だ。無視するか、相手にしないのが一番なので、健人はもう何も言わない。
「いや、俺さ、今年の選挙に出なきゃいけなくなっちゃって。誰か一人、巻き込んでやろうかなって思ってたんだよ。ほら、健ちゃんは特待生だし、責任感も強そうだからさ」
「まぁ、俺の兄ちゃんだからね。責任感は人一倍強いと思うよ」
 ふざけて言う歩に、忍は大笑いした。
「お前ら、仲良いんだな」
「義兄弟って言っても、兄弟だからねー」
 あははーと、軽い笑いが教室に響いた。前を向いていた健人は振り返り、腹を抱えて笑っている忍に一言、告げる。
「俺、やんないから。そう言うの、好きじゃないし」
「ん、分かった」
 健人がはっきり言うと、忍も無理強いはするつもり無かったようで、すぐに引き下がった。それでも、歩との会話が面白いのか、健人の後ろにぴったりとくっ付いたまんま、離れようとはしない。
「賑やかなクラスになったな」
 太陽が笑顔で健人に話しかける。賑やかなクラスと言うより、ただ、騒がしいのが集まっただけのような気がする健人は「そうか?」と太陽の言葉を否定する。
「煩い奴が多いだけだろ」
 健人が相手のことなど考えずにきっぱり言うと、健人の前後から大声が聞えた。
「きっついなー!」
「お兄ちゃん、厳しい!」
 ふざけた忍に仱毪瑜Δ恕歩までもふざける。かなり鬱陶しい状況になったが、この感情を表に出したとしても、歩はおろか、忍だってめげたりなどしないだろう。打たれ強いわけではなく、この二人は嫌味を嫌味だと理解いない。そして、健人が互いに対して好感を抱いていないことも気付いていないだろう。
「って言うか、健ちゃんのほうがお兄ちゃんなんだ」
「そう。健人は俺より2ヶ月誕生日早いから、お兄ちゃん。俺、さっきからずっとお兄ちゃんお兄ちゃん呼んでたけど」
「言われてみれば、そうだなー。あんま、聞いて無かったけど」
 笑っている忍に悪気はないようで、聞いて無かったことをあっけらかんと言う。嫌味の無い喋り方に好感を抱いた歩は「別に良いよ」と、忍に笑顔を向けた。
「その笑顔に落ちる女の気持ちが分かったわ」
 笑顔を向ける歩を見つめて、忍はしみじみと言う。
「……は? どゆ意味?」
「笑顔の安売りは、トラブルの元だぜー」
 優しい顔つきに、人当たりのいい性格をしている歩は、女生徒によくモテる。誰かれ構わず、笑顔を振りまくから、落ちる女も少なくない。忍はそのことを言っているのだろう。それでも、トラブルだなんて、身に覚えのない歩は意味が分からないと少しだけ首を傾げる。
「それともあれかな。佐倉歩はみんなの物とか言って、女子同士で協定でも結んでそう」
「何だよ、それ。俺は誰の物でも無いって」
 憶測で話す忍に、歩は怪訝な顔をした。女生徒にモテるのは自分自身でも良く分かっているが、誰かと付き合ったりなどしているわけではないし、みんなの物と言われる事もあまり好かない。
「色男は大変だなってことだよ」

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