大迷宮(日文版):
文章节选:
メガネの少年
世の中には、妙なまわりあわせがあるものだ。それこそ|芝《しば》|居《い》や小説にだって、めったにないような、人に話せば、うそだといわれそうなほど、ふしぎなめぐり合わせがあるものだ。そして、そういう妙な、ふしぎなめぐり合わせがたびかさなるうちに、いつか、とんでもない事件に|捲《ま》きこまれていることが、ままあるものである。
これからお話しようとするこの物語の主人公、|立花滋《たちばなしげる》の場合がそうだった。
滋があんなにサーカスのファンでなかったら――いやいや、滋がいかにサーカスのファンであったとしても、去年の夏、軽井沢へ|避《ひ》|暑《しょ》にいかなかったら――いやいやいや、滋がいかにサーカスのファンであり、そしてまた、去年の夏、軽井沢へ避暑にいったとしても、あの日、いとこの|謙《けん》|三《ぞう》と、自転車の遠仱辘顺訾けて、大夕立ちにあわなかったら、これからお話するような、あんなにも奇怪な、そしてまた、あんなにもおそろしい事件に|捲《ま》きこまれるようなことはたぶんなかっただろう。
しかし、こんなふうに書いていくと、これを読まれる読者は、きっと、いったいなんのことだと面くらわれるにちがいない。
よろしい。それではここに、わかりやすいように、滋が去年の夏、軽井沢へ避暑にいったというところから、物語をすすめていくことにしよう。
滋はことし十四歳、したがって去年の夏は十三歳で、中学の一年生だったが、滋のつもりでは、その夏はどこへもいかないで、家で勉強しようと思っていた。
……
目 次
メガネの少年
タンポポ.サーカス
高原の怪屋
無気味なおじ
足の悪い家庭教師
もう一人のぼく
大サーカス王
怪しいもの
夢かまぼろしか
船から消えた男
大金塊
おそろしい顔
第二の家
抜け穴のどくろ男
さいしょの家
カピの死
|鍵《かぎ》の|謎《なぞ》
面をかう人たち
軽気球の老人
少年歌手
あいずの口笛
暗やみの騒動
空中の大曲芸
津川先生の射撃
アルミの短刀
三人めの少年
鐘楼の怪
怪物と猛犬
マリアさまの像
怪物と鬼丸博士
人間の丸太ン棒
鏡三の綱わたり
怪屋包囲
鬼丸博士の死
第二の鍵
奇怪な大発明
五人のちかい
眼帯の男
三人のゆくえ
どくろ男の正体
わなに落ちる
剣太郎あらわる
船中の三少年
暗号の手紙
あかつき丸襲撃
怪獣男爵の脱走
鬼丸太郎の告白
迷宮島
迷路を行く
地底の爆発
男爵の最期
第一の|鍵《かぎ》
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